そろそろ花粉症の季節到来です。
花粉症に全くならない人(実は私もそうです!)は、花粉症の人のつらい気持ちが全く分からないとよく言われます。
確かに周りにいる花粉症の人は、目の腫れぼったい顔、くしゃみ・鼻水をかんでいる姿、何となく気だるい様子などを見るにつけ大変なのだろうなとは思いますが、体験したことがない我が身としてはどう手助けして良いか分かりません。
日本の花粉症総人口は、推定で2000万人以上と6人に1人、スギ花粉症だけで1500万人以上と言われています。まさに国民病と言っても良いでしょう。
2015年 花粉情報 時期はいつから?
スギ花粉
スギ花粉の飛散時期は2~4月になりますが、
2015年のスギ花粉の飛散開始時期は、例年並みもしくは早いでしょう。
2月上旬から飛散し始めて、ピークを迎えるのが2月下~3月下旬になるでしょう。
- 全国各地のピーク時期(参考資料:日本気象協会公式サイト)
仙台、金沢:3月中旬~3月下旬
東京、名古屋:3月上旬~3月中旬
大阪、広島:3月上旬~3月中旬
高松:3月上旬~3月中旬
福岡:2月下旬~3月上旬
ヒノキ花粉
ヒノキ花粉の飛散時期は、スギ花粉より遅いです。
3月上旬から飛散し始めて、ピークを迎えるのが3月下旬~4月中旬になるでしょう。関東では2月から飛散が観測されます。
- 全国各地のピーク時期(参考資料:日本気象協会公式サイト)
東京、名古屋:4月中旬
大阪、広島:4月上旬
高松:4月上旬~4月中旬
福岡:3月下旬
そもそも何故、花粉症になるの?
環境省の「花粉症 環境保健マニュアル2014」によりますと、日本で最も多いのはスギ花粉症で、世界でも群を抜いて多いのです。他にもヒノキ、秋のヨモギ・ブタクサ等があります。
発症のメカニズムは次の通りです。
先ずスギ花粉が体内に入った時、異物として判断し体の中で抗体を作ります。再度スギ花粉が侵入すると体の中で作られた抗体が、花粉を排除しようとする生体反応、即ち免疫反応を引起すのです。
免疫反応は体には絶対必要なのですが、過剰になるとマイナスになり生活に支障をきたします。
花粉症患者が増加しているのは、日本人の生活環境が清潔になり、腸内細菌・感染症の減少で免疫システムが誤って作動するからと考えられています。
花粉症を悪化させるものには空気中の汚染物質・ストレスがあるとも言われています。
花粉症は増加の一途!
花粉症は年々増加傾向があり、耳鼻咽喉科に通院する患者が平成20年には30%に達しました。
又注目すべきは14歳以下の患者が年々増加していることです。
出典:花粉症 環境保健マニュアル2014 改訂版、環境省ホームページ(http://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/manual/1_chpt1.pdf)
膨大な経済損失!
花粉症になると重度の人は通院し、軽度の人はドラッグストアで点眼・点鼻薬、マスクを買い求めます。
旧科学技術庁が2000年にまとめた「スギ花粉症克服に向けた総合的研究」によると、スギ花粉症による経済損失は年間2,860億円(医療費と市販薬やマスクなどの医療関連費の合計で約2,259億円、スギ花粉症による労働損失は601億円)となっています。
現在は花粉症に悩んでいる人がもっと増えているので、経済損失額も年間5,000億円に届くのではないでしょうか。
更に花粉症になると外出もしなくなり、消費マインドが落ちていくのも経済には痛手です。
花粉症を減らす対策はあるの?
日本の花粉症の中で、殆どを占めるスギ花粉症は、杉林のスギ花粉が春に飛散することで発症します。
日本は戦後復興の一つに植林事業を積極的に進め、売れる木材即ち針葉樹の杉や檜(ヒノキ)を植林してきました。この杉が大きくなり伐採の時期を迎えていますが、価格の安い輸入木材に押されて売れず、そのまま山林に残されているのです。
この木材の用途を開拓して、早く伐採しなければなりません。
近年花粉が極めて少ない杉も品種改良で出来ています。
花粉の少ない品種改良杉を植えるよう助成金を出して植え替えを推奨したり、広葉樹(*)に植え替えるのです。
(*):集中豪雨の災害を防ぐには、毎年落ち葉が堆積し腐葉土になり、保水力がある広葉樹林が良いと言われています。
花粉症の膨大な経済損失の一部を税金で徴収して、助成金に回すのも一つの方法ではないでしょうか。
ライター:sige G