「屋根より高い 鯉のぼり♪」
5月が近づくと「鯉のぼり」が目につくようになります。
なかなか立派な鯉のぼりを目にする機会が少なくなってきましたが、たくさんの鯉のぼりを集めて一堂に泳がせるイベントもあり、大人になっても心が弾んでしまいませんか?
いまだに鯉のぼりを見つけると「あっ!鯉のぼり!!見た?見た?」とテンションが上がってしまいます。
お子さんと一緒に「鯉のぼり」の歌を歌って「鯉のぼり」についてお話をしてみませんか?
鯉のぼりはいつの時代からあるの??
もともと「将軍」に男の子が生まれると、旗指物(はたさしもの)という家紋の付いた「旗」や「幟(のぼり)」を立てて祝った風習がありました。
これが武家に伝わり、男の子が生まれると「幟」を立てるようになります。
江戸時代中期、武家に習い江戸庶民の間で「鯉の滝登り」で立身出世のシンボルとなった「鯉のぼり」をあげるようになったのが始まりです。
江戸時代には、和紙に鯉の絵が描かれていたようですが、大正時代になって破れにくい綿の鯉のぼりとなり、昭和には合成繊維の鯉のぼりが登場し、広く普及しました。
【出典:http://pixzbay.com/】
童謡「こいのぼり」の歌詞を紹介します。
『こいのぼり』
作詞:近藤宮子 作曲:不明
1番の歌詞
屋根より高い こいのぼり
おおきい まごいは おとうさん
ちいさい ひごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる
2番の歌詞
みどりのかぜに さそわれて
ひらひらはためく ふきながし
くるくるまわる かざぐるま
おもしろそうに およいでる
3番の歌詞
5月の風に こいのぼり
めだまをピカピカ ひからせて
おびれをくるくる おどらせて
明るい空を およいでる
【出典:http://pixzbay.com/】
「こいのぼり」の歌詞をつくった近藤宮子さんは「チューリップ」の作詞もしています。
また、上記の歌詞とは別に、違う「2番」があります。
2番の歌詞(別バージョン)
屋根より高い こいのぼり
おおきい まごいは おかあさん
ちいさい ひごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる
「こいのぼり」の歌詞に「おかあさん」が出てこないので、子どもたちのために幼稚園や保育園の先生方が追加されたのだとか。
幼稚園の先生方のやさしい配慮は「おかあさん」たちにとってうれしいですね。
また、「おかあさん」が出てこない理由は、ちゃんとあるんです。
後でご説明しますね。
まごい?ひごい?歌詞の意味を紹介します。
真鯉(まごい)は「黑い鯉」
緋鯉(ひごい)は「錦鯉(にしきごい)」の事です。
中国に伝わる「登竜門」の伝説。
竜門の滝を登りきると「鯉」が「竜」になれるという話にあやかって、わが子も健康に育ち、将来は立派になり出世して欲しいという願いを「鯉」に込めました。
「我が家に男の子が生まれました」
天の神様に男の子の誕生を伝えて守って頂く意味もあるそうです。
鯉のぼりの鯉は「まごい(黒)」と「ひごい(赤)」の2種類でしたが、1964年に東京オリンピックが開催されて「五輪」の色にちなんで鯉の色が増えたとも言われています。
【出典:http://pixzbay.com/】
こいのぼりのお母さんがいない理由って?
これには、さまざまな説があるようですが、有力なのは、5月5日に「お母さんが不在だった」という説です。
どういうことかと言うと、むかしの日本で旧暦5月5日は今の6月上旬であり、稲の収穫にとって大切な時期。
このため、女性は拝殿に集い(当時、農耕は女性の仕事だった)、田や水の神様を招き豊作を祈る風習がありました。
その神事のあと、女性は一晩中お休みをとることが許されていて、その都合で「お母さん」は鯉のぼりの日(5月5日)に不在だったのです。
また、鯉のぼりは、神様を招くための目印だったとも言われており、休暇中のお母さんの代わりに、お父さんや子供たちが、鯉になって神様を呼んでいたということになります。
内閣府のホームページを調べると、5月5日の「こどもの日」は、『こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する』と記載されています(国民の祝日に関する法律, 第2条)。
つまり、この日はお母さんに感謝する日『お母さんの日』だったということですね!
ほかにも、緋鯉(ひごい)は「おかあさん」でちゃんと一緒に楽しそうに泳いでいるなど、解釈の異なる説もあるようです。
あなたの好きな説明をお子さんにしてあげるのは、どうでしょうか?
鯉のぼりの上のひらひらは何?
【出典:http://www.photo-ac.com/】
鯉のぼりの上のひらひらは「吹き流し」です。
「吹き流し」は魔除けに使われ、五色それぞれに意味があります。
元は古代中国の「五行説(ごぎょうせつ)」に由来していて、万物は「木」「火」「土」「金」「水」の五つの要素から形成されているという考えです。
赤→「火」
青→「木」
黄→「土」
白→「金」
黒→「水」
「吹き流し」は「家」を象徴しているとも言われています。
我が家の鯉のぼりの吹き流しには、当家(嫁ぎ先)の家紋と私の実家の家紋が入っています。
五色の鮮やかな色で「天の神様」の目印となって神様に気付いてもらう為と、「奇数が重なる」のは縁起が悪いので(5月5日は奇数が重なっています)魔除けの意味もあるのです。
子供の立身出世と無病息災を願って、天の神様に守って欲しい子供は「ここにいます」と知らせているのが鯉のぼりなのですね。
鯉のぼりは「鎧」や「兜」のように一人に1つではなく、兄弟が増えると鯉を増やしていくので、子孫繁栄の意味もあるのかと思っていました。
我が家では鯉のぼりをあげているときは、風が強すぎると鯉のぼりが絡まってしまったり、雨が降ると慌ててしまったりとなかなか家を空けられなくて大変な思いをしました。
木の柱の竿だったので、5年くらいで倒しました。
鯉のぼりが無くなると「淋しく」なります。
お陰様で無病息災、立身出世はこれから「鯉のぼり」の御利益を楽しみにしています。
ライター:なみたま