まだまだ寒い日が続くこの季節、
お日様がポカポカと温かい、桜の季節が待ち遠しいですよね。
そんな桜の季節の風物詩、春のイベントと言えば、
やはりお花見が思い浮かびますが、
もう一つ、春のイベントで忘れてはならないのが、
3月3日の桃の節句、
「ひな祭り」です。
【出典:http://www.ac-illust.com/】
そして「ひな祭り」と言えばやはり、
「あかりをつけましょ」の歌詞で始まる、ひな祭りの歌、
「うれしいひな祭り」を思い浮かべる方も
多いのではないでしょうか。
この、ひな祭りの歌の代名詞である
「うれしいひな祭り」ですが、
意外や意外、歌いだしの歌詞「あかりをつけましょ」は
誰でも知っているようですが、
歌の最後まで歌詞を知っている人って、意外と少ないようです。
小さなお子さんをお持ちの方などは、
お子さんが、幼稚園や小学校で
ちょっと変わった替え歌を教わってきて、
原曲とはかけ離れた歌詞を、大きな声で楽しそうに歌っていた!
なんてシーンもあったのでは・・・
また、この「うれしいひな祭り」の歌詞には、
聞いたら誰もがビックリすることマチガイなしの、
深い意味が隠されていたり・・・
意外と誰も知らなかった?ひな祭りの歌の正しい歌詞がこれ!
「あかりをつけたら消えちゃったぁ~」
「おはなをあげたら枯れちゃった~」
なんて、
小さな子供たちが、どこで覚えたのか
原曲を作曲された方が聞いたら、大目玉を食らいそうな
いい加減な歌詞を、今後口ずさむことの無いように、
この機会に、キチンと、
「うれしいひな祭りの歌」の
正しい歌詞を覚えておきましょう!
ちなみに、歌詞は4番まであるようです。
全ての歌詞を、完璧に覚えておく必要もないかもしれませんが、
よく歌われることの多い、1番と2番くらいは覚えておきたいですね。
歌詞:うれしいひなまつり
【サトウハチロー作詞・河村光陽作】
1番の歌詞
あかりをつけましょ ぼんぼりに
お花をあげましょ 桃の花
五人ばやしの 笛太鼓
今日はたのしい ひなまつり
2番の歌詞
お内裏様(だいりさま)と おひな様
二人ならんで すまし顔
お嫁にいらした 姉様に
よく似た官女の 白い顔
3番の歌詞
金のびょうぶに うつる灯(ひ)を
かすかにゆする 春の風
すこし白酒 めされたか
あかいお顔の 右大臣
4番の歌詞
着物をきかえて 帯しめて
今日はわたしも はれ姿
春のやよいの このよき日
なによりうれしい ひなまつり
ひな祭りの歌の歌詞には、実はこんな意味が込められていた!
「ひな祭りの歌」の代名詞である
「うれしいひな祭り」を強く印象付けるものが、
「あかりをつけましょぼんぼりに~」
から始まる、
歌詞の後ろで流れる
独特のメロディですが、
このメロディだけ聴いていると、
ウキウキワクワクするような楽しいメロディというより、
なんとなく、物悲しい、寂しげなメロディに聴こえませんか?
実は、この「うれしいひな祭り」の
歌詞の意味の中に、
なんとなく物悲しく聴こえてしまうメロディの
ヒミツがあったのです。
「うれしいひな祭り」を作詞された、サトウハチローさんは、
この歌詞を作詞された当時、前妻さんと協議離婚され、
お子さん3人を全て引き取って再婚をされていたそうです。
その当時、
離婚して間もない子供たちに寂しい思いをさせない様にと、
当時、かなり高価であったひな人形を子供たちの為に購入し、
そのひな人形で喜ぶ子供たちを見ながら
「うれしいひな祭り」の歌詞を作詞したそうです。
【出典:http://www.ac-illust.com/】
そしてこれが驚きなのが!
2番目の歌詞で、
「お嫁にいらした姉さまに~」
という部分があるのですが、
この部分、実は
サトウハチローさんの実の姉が、結婚の決まった18歳の時、
突然結核を患ってしまい、他界してしまったことを偲んで
作詞されたそうです。
サトウハチローさんは、幼少の頃、
18歳の若さで、結核により他界してしまったお姉さんに
面倒を見てもらっていたそうで、
そのお姉さんに対する、
「鎮魂歌」
の意味も込められていたのかも知れません。
子供に伝えてあげましょう、ひな祭りの歌が作られた時代背景とは?
「うれしいひな祭り」が、
レコードとして発売されたのが昭和11年、
当時すでに大陸では、日本と中国が戦火を交えていた時代でもあり、
世界中に戦火が広がっていった時代でもありました。
当時から、桃の節句やひな祭りの風習はありましたが、
当時、ひな人形はとても高価なもので、
一般庶民には簡単に手に入るものでは無かったようです。
【出典:http://www.ac-illust.com/】
ちなみにどれくらい高価なものであったか?ですが、
この歌を作詞されたサトウハチローさんが、
3人の娘たちの為に購入した
ひな人形のお値段が、
当時の値段でなんと、200円!
ちなみに、
当時の200円がどれくらいの価値だったかと言いますと、
大卒の社会人の初任給が
50円か60円の時代だったと言いますから、
200円は、大卒の初任給の数倍のお値段だったようです。
またこの歌は、
実際にサトウハチローさんが購入された、
ひな人形の飾りをモチーフにされているようで、
人形の配置されている様子などが、
実写の様に目の前に踊るようでもあります。
戦争の暗い影が広がりつつあった当時の世相で、
ひな人形を買ってもらえない子供たちにとって、
人形の配置などが
実写の様に伝わってくるこの歌の歌詞が、
ずいぶんとなぐさめにもなっていたようです。
うれしいひな祭りの歌詞、キチンと旦那にも知ってもらいましょう!
3月3日は「桃の節句」と言い、
女の子の幸せを願う祝い事です。
そこで歌われている「ひな祭りの歌」の正しい歌詞を、
普段お忙しい旦那様にも、この機会にキッチリと知ってもらい、
お子さんにも教えてあげられるようになってもらいましょう!
歌詞は先ほど、1番から4番までお伝えしましたので、
ここでは省略して、歌詞にまつわる
ちょっとした小ネタをお伝えします。
小ネタ
ひな飾りの呼び名
ちなみに、7段飾りでは、
1段目が内裏(だいり)びな
2段目が三人官女
3段目が5人囃子(ばやし)
4段目が左(さ)大臣と右(う)大臣
5段目が衛士(えじ)
6段目が道具類
7段目が籠(かご)や御所車(ごしょぐるま)
が正しい名称になります。
歌をお子さんと一緒に口ずさみながら、
こんな小ネタを教えてあげると、
お子さんのお父さんを見る目が明日からちょっと変わるかも?
最後にもう一度、
1番の歌詞を載せておきます。
普段お忙しいお父さん、
復習だと思って一度歌ってみてくださいね。
あかりをつけましょ ぼんぼりに
おはなをあげましょ もものはな
5人ばやしのふえ たいこ
今日は楽しい ひなまつり
ライター:たつや