私の近所の和菓子屋さんでは、柏餅やちまきを購入すると「菖蒲」が数本頂けます。
子供の日は「菖蒲湯」にすると良いって聞いたことがありますが、子供が菖蒲湯(しょうぶゆ)に入ると、どんな良いことがあるのでしょう?
赤ちゃんは「菖蒲湯」に入っても大丈夫?
今回は、知ってそうで知らない「菖蒲湯」について調べてみました!
こどもの日に菖蒲湯に入る由来を知っていますか?
菖蒲湯に入る風習って、いつ頃からあるのでしょうか?
古代中国にさかのぼって、端午節に菖蒲で無病息災を祈ったことがはじまりと言われています。
菖蒲には厄除けの効果があると信じられており、以前は採ってきた菖蒲を軒下につるしたり、菖蒲酒にして飲んだり、枕の下に敷いて眠ったりした風習がありました。
そして、日本に伝わったのは奈良時代。
軒下につるす以外に、宮中では臣下の方々が冠に菖蒲を飾ったりしたそうです。災厄を避けるための厄除けの意味合いが強かったのですね。
菖蒲(しょうぶ) = 勝負・尚武
江戸時代になって、武士が端午の節句や出陣前に武運長久を願い、ゲン担ぎに「菖蒲湯」につかるようになりました。
厄除けの意味と、武運長久の願いを込めるようになったようです。
【出典:http://pixzbay.com/】
菖蒲湯を作る時の注意点をチェック!!
菖蒲湯というと「葉」を浮かべるイメージがあったのですが、上述したように効能のある大事な成分は「根茎部分」に含まれています。
「根茎部分」のアザロン・オイゲノールなどの「精油成分」の独特の香りが、厄除けに効果があると伝えられています。
漢方でも菖蒲の根茎部分を天日干しにして「菖蒲根」をつくり、鎮痛・血行促進の効果があるそうです。
もちろん「葉」の部分も、「香り」を楽しむ「アロマテラピー」効果が期待できます。
《菖蒲湯の作り方》
①菖蒲を10本程度束ねる。
②少し高めのお湯(42~43℃)のお湯につける。
③適度に冷ましてから入浴する。
《もっと効果的に菖蒲湯を作りたい場合》
①菖蒲の根茎や葉を包丁で細かくきざむ。
②パック(布袋またはだし用のパック等)に入れて洗面器などに入れる。
③熱湯を注ぎ、10分間浸ける。
④抽出したエキスを浴槽に入れる。
浴槽に菖蒲の葉を浮かべただけで「菖蒲湯」気分を味わっていましたが、今年はエキスをしっかり抽出して「効能」を楽しんでみようと思います。
また、浴槽に入れた菖蒲の葉を1本、頭に鉢巻のように巻くと「健康で頭が良くなる」と言われているそうです。これはぜひ、試してみたいですね!
※菖蒲と一緒に「ヨモギ」がついてくることがあります。
通常は、菖蒲とヨモギを一緒に浴槽に入れて良いのですが、妊娠している方は「ヨモギ」は避けておきましょう。
「ヨモギ」には陣痛作用があるので、お腹の赤ちゃんや妊婦さんに影響が出てしまいます。
赤ちゃんでも菖蒲湯に入れるの?
赤ちゃんが菖蒲湯に入っても問題はありません。
でも、赤ちゃんはとてもデリケートなので、はじめから全身入浴は避けましょう。腕や足などから少しずつ入浴し、全身は様子を見てからにしましょう。
万が一、赤くなってしまったらシャワーで良く流してあげて下さい。
気になる時はお医者様に診て頂きましょう。
また、赤ちゃんに皮膚疾患のある場合は、菖蒲湯に入れるのは控えた方が良いです。私の子供はアレルギー体質なので、菖蒲湯でも赤くなったり、かゆくなったりと反応が出ました。
お子さんの様子を見ながら試してみて下さいね。
心配な時には「菖蒲の鉢巻」だけでも試してみてはいかがでしょう?
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菖蒲はどこで手に入れるのか教えます
菖蒲は「花屋さん」で手に入ります。最近ではスーパーでも「端午の節句」に合わせて特設コーナーを設けている所があります。
また、インターネット上でも購入でき、「端午の節句 菖蒲 菖蒲湯」などで検索すると情報が入手出来ますよ。
お店に出向かずとも、自宅に届くのは便利ですね。
菖蒲湯での効能を期待するなら、葉の部分はもちろん、精油を多く含む根茎の部分が重要になります。
精油は、エッセンシャルオイルとも呼ばれ、独特の香りと共に血行促進や疲労回復の効果をもっています。
購入する時には、ぜひ根茎に注目してみて下さいね。
そうそう!
「花菖蒲」は「菖蒲」とは別物ですので、気をつけましょう。
花菖蒲はアヤメ科で、菖蒲はサトイモ科の植物ですので。
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子供の日にはこんな事もしてみよう♪
「菖蒲湯」の他にも、「菖蒲酒」「菖蒲枕」などがあります。
《菖蒲酒》
「菖蒲酒」は根茎部分を刻んで30分程日本酒につけるのですが、手に入りにくいかもしれないので、葉の部分をお酒に浸して香りを楽しむのも「風流」です。
菖蒲には「解毒作用」があるので、菖蒲酒は「胃を丈夫にする」と言われています。
《菖蒲枕》
「菖蒲枕」は菖蒲の葉を枕の下に敷いて寝るので、「菖蒲湯」をする前日に「菖蒲枕」にして、翌日は「菖蒲湯」を楽しむと2度楽しめそうです。
枕の下にではなく、寝床の下に菖蒲を敷くこともあるそうですよ。
最近、日本の風習を楽しむ機会が減りつつありますが、「菖蒲湯」なら気軽に楽しめそうですね。
「香り」や菖蒲の「色」を楽しんで、子供の成長を願ってみるのはいかがでしょう?
ライター:なみたま