いま、ピアノを習おうと考えていますか?
「早速レッスンに通わなくっちゃ!」とわくわくしますね。
でも、いざ調べてみたらレッスンの料金がちょっと高いと感じたり、近くに教室がなかったり…と、通い続けられるか不安になって躊躇してしまうことってありますよね。
また教室はあっても何だか雰囲気が合わなかったり、先生との相性が問題になることもあるでしょう。
お仕事をしている人は、そもそも定期的に教室に通うこと自体が難しいかもしれませんね。
でも、そこで諦めないでください。
ピアノという楽器は、
誰でも押せば音が鳴るんですから!
音を一つ出すまでに時間がかかる楽器も多い中で、ピアノは第一歩が踏み出しやすい楽器です。鍵盤だって順番に並んでいてわかりやすいし、順番におさえて音を出していけばいいんです。
こうやって考えると、ピアノという楽器は
1人でも簡単に始められる気がしてきませんか?
大人のピアノ初心者で「趣味の範囲」なら独学は十分可能?
先程も書いたように、ピアノは楽器の中でも比較的取り組みやすい楽器です。
「ピアニストになりたい!」「コンクールで賞をとりたい!」といった高い目標がある人は、独学には限界があるでしょう。
でも、「趣味でいろいろな曲が弾けるようになりたい」「楽器を楽しみたい」というぐらいの人は、先生がいないからといって困らなくていいんです。
まったくの初心者だから右も左もわからないという方は、教室に通うことを真っ先に考えることでしょう。
もちろん先生について習えば上達は早いでしょうけれど、大人はなかなか定期的に教室に通うのが難しい。だからと言って諦めたくない方はどうすればいいのでしょうか?
必要なのは、先生よりも練習量!
ピアノ初心者さんが上達するのに必要なのは、
正しい指導と練習量です。
正しいピアノの弾き方を教えてくれるのは、教室の先生だけではありません。
本、DVD、動画…あらゆるツールを使いこなしていけばいいのです。
そして何より大切なのが、練習量!
あなたは今、どのくらい指が動きますか?
「両手の指が全部バラバラに動くなんて難しい」
「右手と左手が同時に違うことを弾くなんて無理」
などなど、今はまだ指をうまく動かせない状態にあるのだと思います。
ピアノって指が複雑な動きをしているイメージが強いですよね。指が動くようになるには、とにかく練習が必要なんです。簡単なフレーズからゆっくり、何度も練習を重ねることによって、だんだんと複雑な動きができるようになっていきます。
ということは、
「どんなに素晴らしい先生にご指導いただいたとて、
あなたが練習しなければ上達はしない」
ということなんですね。
これはつまり、
「練習さえ頑張れば、独学でもピアノは上達する」
ってことなんですよ!
教えてくれるのは教室の先生だけじゃない
毎日続けることが一番の近道です。
ピアノ経験者である筆者の考えでは、
・教室でのレッスンの時しかピアノを弾かない状態の人
よりも、
・毎日5分でもいいから練習を続けた独学の人
の方がきっと上達するだろうと思います。
と、いうことは。
重ね重ねですが、指がなめらかに動くようになるためには反復練習あるのみなんですし、そこに先生がついている必要はないでしょう?
「楽譜も読めないので何もわからない~!」という状態の方は誰かに教えてほしいところですが、それだって、ピアノ教室の先生でなくてもいいんです。
ピアノを習っていたことがあるというお友達でもいいし、近所の吹奏楽部の子だっていいじゃないですか。
「楽譜は読めるけど、こういうリズムやメロディーで合っているのか分からない」と自信がなくて不安になるなら、
お手本のCDやネット動画を探しましょう。
自分がうまく弾けているか心配なら、動画に撮って反省してみてもいいし、家族や友達に批評してもらえばいいんです!
「レッスンを受けなきゃダメ」と考えず、もっと気楽にかまえてみましょう。
自分も弾ける!という気になってきたところで、次はもっと具体的に、教室に通わない人が何を頼ればいいのかお話しますね。
YouTube 先生はどこにでもいるよ!
頼れる味方は3つあります。
2:ネットのレッスン動画
3:弾き方や知識を丁寧に教えてくれる教本
3番目の教本については次でがっつり扱いますので、ここでは最初の2つをご案内しますね。
方法1:テレビ講座に頼ってみる
テレビでは、よく趣味や実用的なスキルの入門講座が開かれていますよね。外国語や手芸などと共に、楽器の講座もとても人気のある番組だそうです。
初心者向けのピアノ講座や、大人になってからのやりなおし組のためのピアノ講座なども割と定期的に放送されていますので、
一度本屋さんで「テレビ講座の本」を探してみてはいかがでしょう。
テレビ番組ならば、おうちでの練習もある程度、教室でのレッスンに近い感覚になるかもしれませんよ。
それらの番組をまとめたDVDなども販売されていたりしますから、本屋さんだけでなく楽器屋さんでも見つけることができるかもしれませんね。そして本も楽器も両方備えたネット通販は、ここでもみんなの味方♡ですね(笑)
方法2:ネットのレッスン動画に頼ってみる
最近では、ネット上にレッスン動画もアップされています。
いつでも好きな時間に、自分でピックアップしたレッスン動画を見られるのは便利ですね。
無料で公開してくれるなんて、親切ですね~。挫折するかもしれない大人の趣味にとって、無料の動画でとりあえず挑戦してみるという敷居の低さは、何ともありがたい話です。
特に「楽譜の読み方」から始める人は、講義形式で説明してもらう方がテキスト形式よりも取っつきやすいのでは?と思います。
一人だけでレッスンするのに行き詰まってしまった時には、
こういうレッスン動画を利用してみると新しい発見があるかもしれません。
⇒「超簡単!楽譜が5分で読める方法」
⇒【楽譜は】3分で弾けるピアノ講座1【いらない】
⇒大人の初めてピアノNo.1★指をスムーズに動かすコツ
大人にオススメの教本はコレ!楽譜の選び方は?
さて、いよいよ教本についてです。
まずは大好きな曲を練習するんだ!というのも、アリです。モチベーションも保てますし、そちらが性に合ってる方は大好きな曲を何度も何度も練習してみてください。
ですが、色んな曲を弾けるようにちゃんと上達しようと思ったら、やっぱり初心者用の練習曲が載っている本が欲しくなりますよね。何事も基礎を固めることはとっても大切です。
指がうまく動かせないのに、最初から知っている曲を弾こうとして楽譜を買ってきても、なかなか上達はしづらいものです。そうやって挫折しかけた方も、指を動かせるようになるための基礎の練習曲を一度やってみると、見違えるように弾けるかもしれませんよ。
大人にオススメの教本はコレ!
やり直しの方は特に思うかもしれませんが、ピアノの教本といえばまずは
バイエル!
というイメージがあります。筆者もバイエルをやりましたよ。
ただこのバイエル、曲者なんですよね…。バイエルの練習曲は、右手と左手の動きが案外ややこしいのです。複雑なリズム練習っていうのも結構やらされます。イヤだったなぁ、あれ。
先生がいればできるかもしれませんが、独学で、しかも幼児期からリズム感や指の動きを習得するわけではない大人には…忍耐力が必要な教本といえます。
というわけで、バイエルは避けて通っちゃいませんか?
憧れがあって頑張れる!という方以外は、ぜひぜひ筆者オススメの教本を楽器屋さんや本屋さんで探してみてください。
大人のピアノ初心者が教本や練習曲集を選ぶ時のポイント3つ
1:「大人のための」とついた本を選ぼう
2:DVD付きなら、文章でわからなくても解決できる
3:何度も何度も練習するので、知っている曲や好きな曲が入っている本にする
【はじめから1人で学べる 大人のためのピアノレッスン 上巻】
お手本となる手や指の形を、付属DVDで確認しながら進められます。
またウォーミングアップなどもついているので、指を動かす練習から始めることができます。
有名曲がいろいろと載っていますので、飽きずに続けられそうなところも嬉しいですね。
1人で毎日コツコツ続けたい人にも取り組みやすいピアノ独習教本ですので、まったくの初心者の「はじめの一歩」にピッタリなんじゃないでしょうか。
【無理のない指のトレーニングのために大人からはじめるハノン】
言わずとしれた「ハノン」の大人バージョンです。
指のトレーニングをするなら、絶対これ!という、ピアノ経験者がみんな使っていたと言っても過言ではないぐらいに有名な、ウォーミングアップの教本です。
右手と左手が同じ動きをしていますし、音階をずーっと弾くだけなので難しいことは何もありません。
ハノンとは、ひたすら指の筋トレなのです。
好きな曲を弾きたいだけだから、教本の知識まで身につかなくてもいいや…という方でも、指を動かせるようになるためにハノンを取り入れてみると効果的だと思います。
こちらの本は「大人の手」を想定して作られています。なんと、上達を焦るあまりに力が入りすぎてしまう大人のために「腱鞘炎」などの危険についても取り扱っているそうです。
大人だから陥りやすいポイントも含め、効果的な予備練習もありますから、本をしっかり読み込みんで、たくさん練習してみてくださいね。
【やさしいメソード バーナム ピアノ教本】
バーナムの定番の方は、バイエルの半ばぐらいから並行して使うような難易度だったと記憶していますので、オススメを避けました。
ちなみにそれは指の基礎トレーニングや姿勢を正すことを大事にした教本です。
姿勢が良くなると、指も動かしやすくなります。
姿勢や指の動かし方を覚えたら、大好きな曲も弾きやすくなるはず!
こちらの本は、そんなバーナムのやさしいバージョン。大人の初心者にも取り組みやすいと思います。
ちなみに近年、バイエルにとって代わる勢いでピアノ講師達の間で人気なのが、バスティンです。大人になってからピアノをやり直すという方の中には、「私、バイエルじゃなくてバスティンをやっていたんだけど…」という方もいるかもしれませんね。
なので一応、バスティンについても触れておきます。
【バスティン ピアノ ベーシックス】
現役ピアノ・エレクトーン講師である筆者の母は、このバスティンを愛用しています。
「楽にこなせる曲を数多く弾く」というのが、これを作ったバスティン夫妻の考え方です。「できた!」を積み重ねることは、自信がついてモチベーションアップにも繋がりますよね。
ただし母曰く、大人には向かないそうです。
なんでかというと、楽譜がしっかり読めないといけないから。和音や音程についても取り扱いますし、転調にも慣れさせるようできています。楽典についてもしっかり覚えるための教本なので、独学にはつらいかも…。
音楽の知識もきちんと学びたい方向けなので、気になる方は一度、本屋さんや楽器屋さんでパラパラっと見せてもらうといいかと思います。
やっぱり好きな曲が弾きたい!初心者の楽譜選びは?
「そんなに練習らしい練習でなくてもいいんです」
「すぐに何か曲が弾けるようになりたいんです」
という方は、無理する必要はありません。
好きなように弾いてピアノに慣れてきてから、上達したいな~と思ったタイミングで、復習として教本の練習曲をおさらいするのもアリですよ!
また意欲のある方は、先程の教本と好きな曲を組み合わせて練習してみてください。
指をしっかり動かす練習をして、ほぐれてきたところで好きな曲を!弾くたびに好きな曲が上達していくのを感じられれば、基礎練習も楽しくなりそうですね。
さて、本題の好きな曲から始めたいという方の楽譜選びなんですが。
キーワードは、
「ハ調で弾く」または「ハ長調の」です。
ハ長調という、♯や♭があまり使われない簡単アレンジの楽譜であれば、難易度は低そうです。
アニメの主題歌や歌謡曲が少し簡単にしてピアノ・ソロの楽譜になっていたり、クラッシックの名曲が入門用にアレンジされているものがあったり…と、いろんな楽譜が出ています。
「大人のための」という言葉がついていることもあり、そういう楽譜は大人が弾きたくなる「昔のヒットソング」が簡単アレンジで載っていたりします。
初級者でも楽しみながら、上手になったような満足感を感じられる楽譜がたくさんありますよ。楽譜選びを楽しんでくださいね!
~現役ピアノ・エレクトーン講師が語る大人のピアノはじめ~
筆者の母は現役のピアノ・エレクトーン講師で、これまでに多数の幼児に紛れて、大人の方のレッスンも行ってきました。紛れて…ってことはないか(笑)
その母曰く、大人がピアノを始める時は
「知識はあっても体がついていかないのが圧倒的多数」
なんだそうです。皆さん、もどかしさを感じながらも一生懸命に練習されるんだとか。
スポンジのような吸収力の子どもたちに比べ、大人の上達はどうしてもゆっくりです。
音楽が好きでよく聴いている方ならば、感覚的に習得してしまうこともあるかもしれないけれど、ど~うしても指が動かない!というのが当たり前。
うまくいかないのは、あなただけではありません!
焦らず、ゆっくり。音楽が好き、ピアノが弾きたい!という気持ちを大切にしてくださいね。
ちなみに母としては、大人向けのやさしい教本でコツコツ指慣らしをするのが一番オススメなんだそうです。
好きな曲の初級者用を購入して出来るようになるまでしつこくしつこく頑張るのもいいのですが、曲を繰り返せるほど余裕がない方は教本からいきましょう。
以上、現役講師からのアドバイスでした。ご参考まで♡
母ちゃん、私に対してのレッスンの時より随分と優しいじゃないか(笑)
大人なら、やっぱり大好きな曲を弾きたい!
弾きたい曲があるというのは、目標になりますね。
ずっとずっと先かもしれないけれど、
あの曲が弾けるようになるのを夢見て練習を積む
というのはいいものです。
また「すぐにあの大好きな曲を弾きたい!」というときは、自分のレベルにあわせて簡単アレンジをしてしまう方法だってあります。
いずれにしても、ピアノが弾けるようになると生活が楽しくなるだろうなぁと思います。趣味として、できれば楽しく長く続けたいですよね。
いろんな曲を聴いて、いつか弾きたいと思う目標のメロディーをたくさん持ち続けてくださいね。
今日からあなたも、ピアノを弾いて、気軽に音楽を楽しむ生活を初めてみませんか?
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【大人のピアノ初心者】2.姿勢・手のフォームとストレッチ
まとめはこちらから↓
【大人のピアノ初心者】(全13回)のまとめ
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