子供の教育資金を備える目的で郵便局の学資保険に加入した場合、満期金額をいつ受け取るのか、いくら受け取るように設定するべきなのか迷うものです。
安心して教育を受けられる環境を用意するためにも、十分な金額を準備しておきたいものですよね。
そこで今回は、郵便局の学資保険に加入する前に知っておきたい満期金額のことやメリット・デメリットなどを踏まえた以下の項目について紹介します。
- 郵便局の学資保険の満期金額
- 郵便局の学資保険のメリットとデメリット
- 郵便局の学資保険の配当金とを受け取るには?
- 郵便局の学資保険の満期保険金を受け取ると確定申告は必要?
私が保険の営業をやっていた頃、お子様の誕生を機に学資保険を検討される方が大勢いらっしゃいました。
中でも多く相談されたのが、「郵便局の学資保険について教えてほしい」というものでした。
確かに、郵便局の学資保険は有名で、親から勧められて検討しているという方もたくさんいらっしゃいました。
お子様のために郵便局の学資保険への加入を検討している方に役立つ、満期金額に関する内容などをを分かりやすく解説していきたいと思います!
ぜひあなたも学資保険選びの参考にしてみてくださいね。
郵便局の学資保険の満期金額はどのくらい?
郵便局の学資保険に加入するにあたって一番気になるのは、満期金額はどのくらいに設定するべきなのかという点です。
本当に学資保険だけで十分な教育資金を確保できる金額なのかが最も気になる部分ではないかと思います。
お子様がどのような進路を歩むのかによって必要な教育資金は異なりますが、おおよその目安を把握しておくことが大切です。
子供に必要な教育資金を把握して満期金額を予算する
子供の教育資金の目安としては、1,000~3,000万円と言われています。
仮に、幼稚園から高校まで私立の学校に通った場合で考えてみると約1,500~1,800万円で、幼稚園から高校まで公立の学校だった場合は約600万円と考えられます。
大学に進学した場合、自宅から通うのか一人暮らしをするのかなどの環境によっても異なりますが、国公立大学では4年間で約500~1,000万円、私立大学は4年間で約800~1,200万円になると考えられます。
家計の状況を確認しながら、子供が何歳になるまでにいくらまで必要?と考えて、教育資金がどのくらい必要なのかをしっかり考えてみることをおすすめします。
学資保険で設定している満期保険金の平均額とは
学資保険に加入している人はどのくらいの満期保険金に設定しているのかも気になるポイントだと思います。
学資保険の満期金額に最も多く設定されている金額は、200万円だと言われています。
最も大きなお金がかかるのは大学進学時ですが、大学に納入する入学金や授業料、受験費用や新生活を始めるにあたっての経費諸々・・・を考慮すると、だいたい200万円くらいが必要になります。
この時に備えて学資保険で準備しておきたいと考える人が多いことと、毎月の掛け金も無理なく支払えることも満期金額を200万円に設定する人が多い理由になっています。
満期金額は契約時に決めることができる
郵便局で取り扱っているかんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」は、満期でもらえる金額を契約時に自分で設定することができます。
ただし、満期で受け取れる金額が高くなればなるほど、月々の保険料ももちろん高くなります。
毎月、満期に向けてお金を積み立てていくものとイメージしてもらうと分かりやすいかと思います。
郵便局で扱っている学資保険なので安心して加入できると考えている方も多いですが、注意しなければいけないのは元本割れのリスクです。
一生懸命積み立てたのに損をするかもしれない!なんて、聞き捨てなりませんよね。
郵便局の学資保険の元本割れリスクについてしっかり確認しておきましょう。
郵便局の学資保険は満期金額元本割れのデメリットが!でもメリットもあり
今、新しく郵便局の学資保険に入ろうと考えている方にはお伝えしなくてはいけないことがあります。
それは、「現在の郵便局の学資保険はほぼ確実に元本割れをする」デメリットがあるということです。
これはつまり、払い込んだ保険料の合計に対し、受け取れる金額が少ないということ。
昔は、郵便局の学資保険でも元本割れしないものがありました。
しかし、2017年に行われた保険料の値上げにより、現在は元本割れする商品となってしまいました。
もし、少しでもお金が増えて帰ってくる商品を探しているのであれば、他の保険会社の学資保険がおススメです。
元本割れしない学資保険
せっかくお子様のために貯金するのであれば、少しでもお金が増えて返ってくるものを選びたいですよね。
個人的におススメなのは、ソニー生命の学資保険です。
返戻率の高さは群を抜いており、実際に私が保険営業をしていた時にも一番人気だった商品です。
ちょっとお得な裏技
ソニー生命や他の学資保険を検討するのであれば、保険の相談窓口や、お金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)を通すと、様々な商品を比較検討することができます。
中には、ネットから無料相談の予約をすると、お得なプレゼントが受け取れる会社もあります。
商品を比較しながら、納得いく商品を選ぶと満足度も高まります。無料相談ができるサービスを2つほどご紹介しますね。
保険マンモス(ネットからの予約でA5和牛プレゼント)
経験豊富なFPが、様々な観点からお金の相談に乗ってくれます。
お子様が生まれたばかりで、家計の見直しをしたい場合にも役立つサービスだと思います。
押し売りなどは一切なく、数十社の保険会社を比較検討できます。顧客満足度も95%と非常に高いので、おススメです。
さらに、無料の家計&保険相談+アンケート回答で、もれなく「厳選黒毛和牛A5クラス 極撰霜降り切り落とし」を家族分貰えます。
和牛目当てだとしても、一度お気軽にご相談されてみてはいかがでしょうか。
郵便局の学資保険に入るメリットは?
お子様の学費を貯めるために学資保険に加入するのに、元本割れを起こしてしまうなんて本末転倒な感じがありますよね。
それでも、郵便局の学資保険を選ぶメリットがないわけではありません。
震災時の支払い実績がある
生命保険には、「震災の場合は免責事項となり、保険金を支払わなくてもよい」ということが保険法により定められています。
震災時には多額の請求が一気に保険会社にやってきます。
その場合、どうしてもすぐには対応できないケースを想定して、保険会社側が一応予防線を張っているんですね。
そんな中、郵便局の学資保険は災害時にも支払われることが多いようです。
神戸震災・東北震災などの際にも支払われたという実績があります。
「郵便局」という安心感
「郵便局」で扱っている保険と聞くと、なんだかそれだけで安心感がありませんか?
実際に、親世代や祖父母世代の方は特にこの「郵便局」というブランドに安心感を抱いているようです。
元々は国営の事業でしたし、長く支払いを続ける学資保険でこの安心感は馬鹿にできないかもしれません。
元本割れを低く抑える方法は?
確実に元本割れを起こす郵便局の学資保険ですが、この元本割れ率を少しでも抑えるためにできることをご紹介しますね。
特約はつけない
郵便局の学資保険「はじめのかんぽ」では、「入院した時に使える医療保険」を特約でつけることができますが、これをつけるのは止めましょう。
元本割れがひどくなる上に、本体である学資保険が満期を迎えると、この医療保険の特約は消滅してしまいます。
入院特約をつけるのであれば、別の医療保険に加入するのがおススメです。
お祝い金は据え置いておく
プランによって、満期が来る前に「お祝い金」がもらえるプラン(小中高の入学時にもお金が受け取れるプラン)があります。
何かと物入りな時期にお金が受け取れるのでありがたい半面、その都度お金を受け取ってしまうと、戻り率はさらに悪くなってしまいます。
お祝い金は受け取らずに据え置いておくか、もしくは最初からお祝い金のないプランを選ぶことで、元本割れしてしまう率を少し抑えることが出来ます。
郵便局で扱っているかんぽ生命の決算状況によっては契約者配当金が出る場合もあります。
具体的にどのような時に配当金を受け取れるのか確認しておきましょう。
かんぽ生命の配当金はどうなるともらえるの?
かんぽ生命では配当金が出る場合、そのお金は満期保険金額にプラスされる仕組みになっています。
つまり、満期がきたときにもらえる金額が多くなる可能性がある、ということですね。
配当金は期待できない
そもそも、配当金とは一体なんなのでしょうか?
これは、郵便局の生命保険である「かんぽ生命」が集めた保険料を運用して利益が出れば、その分が配当金となって契約者に還元されるという仕組みになっています。
つまり、かんぽ生命の業績が好調で、運用が上手くいくほどの好景気であれば配当金は多く支払われるのです。
ただし、現在かんぽ生命の業績は減収減益傾向にありますので、配当金には期待しないほうが無難です。
必ず契約者配当金があるものだと考えず、もし配当金があれば運が良かったと考える程度にしておきましょう。
お子様が成長し、郵便局の学資保険の満期保険金を受け取る時期がやって来る頃に考えなければいけないのは、確定申告についてです。
確定申告を行ったことがない方は手続きに戸惑う場合があるかもしれません。
学資保険の満期保険金を受け取ったら確定申告をどのように行うべきなのか確認してみましょう。
郵便局の学資保険の満期保険金を受け取ったら確定申告をするの?
学資保険に加入して満期金をもらう際、確定申告が必要かどうか気になりませんか?
ケースによって変わってくることがあるので、ケースごとにご紹介していきます。
確定申告が必要なケースとは
学資祝い金は、「一時所得」という扱いになり、もらった金額すべてが所得税の対象となるわけではありません。
契約者が会社員の場合
会社員の場合は、給与所得と対処所得以外の金額が20万円までは非課税となっています。
学資祝い金が20万円を超える場合は、後ほどご紹介する一時所得の計算式を使って課税されるかどうかが決まりますが、基本的には非課税対象と思っていいケースが多いです。
契約者が自営業の場合
契約者が自営業の場合は、学資祝い金は全額「一時所得」扱いとなり、課税対象となります。
しかし、一時所得には「50万円までは課税対象にしない控除枠」というものがあり、経費を差し引いた後の金額から課税を控除されます。
受取金額が30万円以内なら、だいたい課税されないケースが多いようです。
一時所得の計算式
一時所得は、以下の計算式でプラスの金額にならない限り、非課税となります。
この計算式でプラスになる学資保険はなかなかないですが、心配ならこの計算式を使って計算してみてください。
学資保険は生命保険料控除の対象になる
満期保険金を受け取るときの話ではないですが、学資保険は「生命保険料控除」の対象となります。
ですので、会社勤めの方は年末調整を、自営業の方であれば確定申告をするようにしましょう。
学資保険の保険料を払っていると税制面で優遇されるため、そちらの方がお得です。
「贈与税」になるケースには注意
学資保険の契約者が祖父母で受取人がお子さんだった場合、贈与税の対象となります。
贈与税は年間につき110万円までは非課税ですが、それを超える場合は課税対象ですのでお気を付けください。
確定申告の話題に関連し、学資保険が節税にも繋がるという裏技について紹介します。
無駄なく上手に節税したいと考えている方はぜひ参考にしてください。
学資保険は満期時期をずらし複数加入すれば節税にもなる!
裏技になりますが、学資保険に2つ以上加入するというやり方もあります。
上手くやると、節税対策にもなるのでおススメです。
その場合に気を付けることは、「満期をずらして契約をする」ということです。
どういうことか、詳しくご説明いたしますね。
- 17歳満期
- 18歳満期(入学前に受け取れるもの)
このように、満期の時期をずらした学資保険に加入すると、以下のようなメリットがあります。
物入りな時期にしっかり対応
実は、高校3年生の夏頃には何かと出費がかさみます。
- 予備校や塾の夏期講習
- 地元以外の大学を受ける際に必要な交通費や宿泊費
- 下宿先の契約費用
など、大学に入学する前からお金が必要になってくるんですね。
この資金をまかなえるのが、17歳満期の学資保険です。
17歳(もしくは、高校3年生の夏前頃)までに満期が来るように保険を契約しておくと、このような出費に備えることが出来ます。
18歳満期(大学入学前に受け取れるもの)は、入学金の支払いや一人暮らしの家具家財を揃えるのに使うことができます。
実家から通える大学に進学する場合は、学費に充てることも出来るので安心です。
節税対策
特に贈与税対策に効果的なのですが、お金を受け取る年をずらすことにより、節税対策にもなります。
満期保険金が、保険料の総支払額より50万円以上増えるような商品に加入した場合には、複数の学資保険に加入し、満期をずらすと節税対策になります。
複数加入のデメリット
学資保険に複数加入するデメリットも、もちろんないわけではありません。
デメリットには、以下の2つが挙げられます。
何度も請求行為をしなくてはいけない
1つの保険につき1回請求するとして、2つの学資保険に加入すると、2回請求行為をしなくてはいけないことになります。
何度も請求するのが面倒くさい!という方には、不向きな方法かもしれません。
毎月の保険料が多くなる
当然の事ですが、学資保険に2つ加入すれば、2つ分の保険料を払わなくてはいけないことになります。
複数の学資保険に加入する場合は、毎月払える程度の保険料に設定するようにしましょう。
大口に1つ入るのではなく、小口で複数入るようにするのがおススメです。
最初は1つの学資保険に加入し、後から別の学資保険に追加で加入する場合もあると思います。
その時には、学資金は使う時期がはっきりと決まっているため、満期時期をしっかり計算した上で加入しましょう。
まとめ
郵便局の学資保険の満期金額を中心に、学資保険に加入する前に知っておきたいポイントを詳しく紹介しました。
簡単に、この記事の内容をまとめると以下のようになります。
- 郵便局の学資保険の満期金額は自分で決められる
- 元本割れが嫌であれば他の保険会社の学資保険を検討しよう
- 配当金には期待をしない
- 確定申告はしなくていいケースが多い
- 複数の学資保険に加入するのもあり
お子様の将来を考えて、せっかく積み立てていく学資保険。
どうせなら、後悔のないように選びたいですよね。
必要であればFPの無料相談などを使いながら、お子様の為に賢くお金を貯めていきましょう!