「健康のためにオーガニックにこだわるなら、ドライイースト不使用のパンがいい」
という話を聞いて、あなたは次のどちらの感想を持ちますか?
- より良い食材を選択するなら、天然酵母を使ったパンの方がいいのね!
- ドライイーストって体に悪いんだ!じゃぁドライイーストは絶対に避けよう!
私自身は前者の考え方です。「そこまで徹底するのは面倒くさいなー」と思ったので、無理して避けなくてもいいことにしました。
実はこのドライイーストを、「体に悪いから小さい子には食べさせない」という人がいるらしいのです。
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「本当に有害なの?」と疑問に思いつつも、一度そんな話を聞いてしまうと、気持ちよくパンにかじりつけなくなってしまいますね。パンを手作りする時にはドライイーストは不可欠ですし、市販のパンに入っているかどうかも気になります。
また育児をしていなくとも、オーガニックに注目している人は多くいます。日頃の食事から添加物を完全に排除するのには、手間やお金がかかります。より有害なものを普段の食生活から除いていこうと思うなら、ドライイーストが本当に有害かどうかは気になるところですよね。
というわけで今回は「ドライイーストって有害なの?添加物,乳化剤の危険性は?」というテーマで調べることにしました。
- ドライイーストは本当に有害なの?
- 成分表にある「乳化剤」って体に害はないの?
という疑問を持ちつつも、「良くないと聞いたからとりあえずは避けている」ということはありませんか?
最近の”育児の常識”にはNG項目が増えつつあるような気がします。あれもダメ、これもダメ、と排除する対象が多いと、遊びにせよ食事にせよ、ママの苦労は増える一方です。
けれどそのNG項目が果たして本当に徹底して避けるべきものなのか、摂取しすぎなければOKなものなのかをきちんと知っておけば、必要以上に自分を追い込んでいくこともありません。
正しい知識は育児の助けになります。
今日は私と一緒にドライイーストについて正しい知識を身につけておきませんか?
お店でパンを選ぶ時や手作りの材料を揃える時に、自信を持って「子どもに与えても安心だ」と思える食材選びができるようになりましょう!
ドライイーストって本当に有害なの?
ドライイーストとは、酵母(こうぼ)という微生物のことです。酵母は英語でイースト(yeast)といい、パン生地を発酵させるのに必要な酵母(微生物)を仮死状態にして乾燥させ、長期間保存できるようにしたものにしたのがドライイーストです。
パンなどを作る時にドライイーストと糖分を入れて放置すると、酵母が糖分を食べ、二酸化炭素を出して生地が膨らむという仕組み。見た目から化学調味料のようなイメージがありますが、それ自体は微生物であって、化学合成物質などではありません。
ゆえに、人体に害はない!
「イーストは体に悪い食品添加物」と思い込んでいる人もいるようですが、イースト自体が有害物質というわけではないですよ。
ドライイーストとイーストフードって違うの?
よくイーストと混同されるのが、イーストフードというもの。
簡単に表現するなら、イーストは酵母(=微生物)で、イーストフードは無機物という違いがあります。
イーストフードはイーストの発酵促進やパン生地の安定化のために使用される食品添加物です。イーストが活発に活動し、生地がふっくらと膨らむために必要な”餌”として使われます。
もちろんメーカーは安全性が認められたものを使用していますし、パンを柔らかくしたり、水と脂を混ざりやすくしたりと、イーストフードは工場で作るパンには欠かせない存在とも言えます。
ドライイーストとは別物!食品添加物の”イーストフード”とは?
イーストフードは酵母が栄養にできるミネラル類の総称で、生地に入れておくと酵母の活動が活発になって早く膨らんだり、生地が安定してふっくらした食感を得たりという効果が期待できます。
また市販のドライイーストを買ってきても、その中にイーストフードが含まれているわけではありません。
イーストフードは主に市販のパン(工場で大量生産されるパン)の生産行程で入れられる食品添加物で、使用が認められている添加物は全部で16品目あります。
酵母が全部食べてしまうから発酵が済んだ生地にイーストフードは残らず、仮に残ったとしても人体に害を与えるほどの量が使われることはないので、さほど気にしなくても大丈夫ですよ。
もしも「なるべく食品添加物は避けたいなぁ」と思っているのであれば、イーストフード不使用の食パンをオススメします。
我が家では美味しいからと好んで常備している商品だったのですが、成分表や公式ホームページで確認したところ不使用でした♡
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商品の成分表に「イーストフード・乳化剤は使っていません」と書いてありましたよね。
わざわざ書いてあるくらいだから、乳化剤も避けた方がいいんじゃないの!?と気になった方も多いかと思います。次はその”乳化剤”についてのお話をしましょう。
ドライイーストの成分表にある「乳化剤」は害になる?
乳化剤というのは、本来なら分離してしまう水分と油分をなじませる働きをしてくれる存在で、生地に乳化剤を入れることで、ドライイーストが乾燥しすぎるのを防いでいます。
”乳”という文字から牛乳や乳成分をイメージしてしまいますが、牛乳を使っているわけではないですよ。
ドライイーストに含まれている乳化剤を危険視する声もありますが、「乳化剤=危険!」と単純に考えなくてもいいと思います。
例えば業界大手である日清製粉のドライイーストでしたら、使用している乳化剤の原料は植物由来と公言されていますよ。
通常ドライイーストに使われる乳化剤は、
- 卵の黄身から作られる「卵黄レシチン」
- 大豆から作られる「大豆レシチン」
- ヤシ油あたりを使用した植物由来のもの
などを原料としています。原料に注目してみると、さほど危険な印象はありませんよね。
お手持ちのドライイーストの乳化剤原料が気になるのであれば、メーカーに問い合わせてみてはいかがでしょうか。
どうしても心配ならば、乳化剤が入っていないドライイーストも販売されていますよ!
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パンの成分で発がん性リスクがあるものは?
パンの発がん性リスクという観点でさらに調べてみると、”カビ毒”や、小麦粉を焼成するとできる”アクリルアミド”という発ガン性物質といった情報も見つかりました。
アクリルアミドができる主な原因は、ざっくり言うと小麦の焼成です。つまり自家製パンでも工場製造のパンでも、どれでも発がんリスクは同じ条件なんです。
さらにアクリルアミドは食品を加熱する過程でできてしまうため、あらゆる食品に含まれており、実は私たちは日常的に摂取しています。
とはいえ、アクリルアミドは「人に対して、おそらく発がん性がある」という程度の物質です。厚生労働省が公開している情報を私なりに簡単にまとめると、
「極めてリスクは低いと思うけど、絶対大丈夫!って言い切ることはできないから研究を続けますね」
という感じでした。あなたはこの物質、重要視しますか?
私は個人的にはカビ毒、つまり「パンにカビが生えちゃった!」という方が深刻な問題だと思います。
カビ毒は基本的に加熱しても毒性を失いません。さらにカビ毒の中には、市販のパンに使われていて、一時期発がん性リスクが高いと騒がれていた臭素酸カリウムの何万倍という発がん性を持っているものもあったりします。
実際、発がん性のあるカビ毒と臭素酸カリウムを比較すると、カビ毒の方が毒性が高いんです。
市販のパンは添加物でカビの発生を抑えているけれど、梅雨時期なんかは油断するとすぐにカビが生えていますよね。何も入っていない自家製パンは、さらにカビが生えやすいです。早めに食べ切ったり、保管の状態に気を配ったりする必要がありますね。
まとめ
- イーストとは酵母のことで、酵母はパン生地を発酵させる働きを持った微生物
- ドライイーストは酵母を仮死状態にし、長期保存できるようにしたもののことで化学合成物質ではない
- よく混同されるイーストフードは、酵母が活発に働くための餌となる食品添加物
- 乳化剤は水分と油分をなじませる働きをするもので、危険というわけではない
- どうしても気になるなら、イーストフード・乳化剤が不使用の食パンもある
- 乳化剤の原料が気になるなら製造元へ問い合わせを
- 乳化剤不使用のドライイーストもある
- 発がん性リスクがさほど高くない物質よりも、カビ毒の方がよっぽど深刻な問題
ドライイーストに限らずどの商品でも、製造元はより良い商品を生み出すために日々研究を重ねていますよね。ですから市販のパンで、子どもが少し食べたくらいで危険だと騒ぐような物質が含まれているとは、私は思いません。
より安全な食材を使って、より美味しい商品を作ろうという努力は日々続いていますからね。
ほとんどの場合、「さほど気にすることはないけれど、絶対に大丈夫だと証明されているわけではない」という程度のリスクだという印象があります。
「添加物 = 体に悪い」という単純な認識は、乱暴すぎるように思います。
成分1つ1つというよりも、食べ過ぎ・飲みすぎといった”過剰摂取”の方がよっぽど害になるとは思いませんか?
それ自体に毒があるわけじゃないけれど、摂り過ぎたら体に悪いものってありますよね。塩が濃すぎるとか、甘い物ばかりで砂糖を摂りすぎているとか、脂っこいものばかり食べているとか…。
大雑把すぎる単純な認識で食べるものを制限してしまうよりも、正しい知識を身につけて、健康で彩りのある食生活にしていきたいものですね!