先日、この春から社会人デビューをして一人暮らしをはじめた甥っ子から、こんなLINEがきました。
「お金ないから自炊してるんだけど、昨日の夜作ったコンソメスープなら今晩食べても平気だよね?」。
1日くらいなら温めれば平気でしょ、と返事をしようと思いましたが、今日の最高気温は26℃!
冷蔵庫に入れずに保管して、本当に24時間経っても大丈夫なのかしら…?
よく考えると、毎日料理をしていてもスープの日持ち期間について「これが正解」と言える答えが分かりません。
適当なことを言って食中毒にでもなったらたいへん…と心配になった私は、この機会にスープの日持ちについて詳しく調べてみることにしました!
- スープの日持ち期間
- 保存方法による違い
- 季節による違い
- 具材による違い
大きく分けるとこの4つがポイントになります。
今まではにおいを嗅いだりして適当にジャッジしていた…という方も、この機会に適切な保存方法をチェックしてみてくださいね。
スープの日持ちはどのくらい?常温保存だと夏と冬でこんなに違う!
一口にスープと言っても、使用している具材やスパイスによって日持ち期間は異なります。
一般的にも、肉類を使用した料理より野菜のみの料理のほうが長持ちすると言われますよね。
じゃあ、野菜のみでスープを作れば常温保存で大丈夫なの?と思ってしまいますが、どんな料理でも、常温保存は基本的にやめた方がよさそう。
これからやってくる夏場の常温保存は、たった半日でも具材が腐りはじめたいへん危険です!
夏場にスープが残ってしまった場合には、必ず冷ましてから冷蔵庫で保存しましょう。
「さすがに真夏に常温保存はしないでしょ」と思う方、じつは寒い冬にも危険があるのです。
私の経験として、数年前、自宅でおでんパーティーをしたときのこと。味を染み込ませるために前日の夜に下準備を済ませ、煮込んでから蓋をして常温保存しておきました。
季節は真冬です。
しかし、次の日の朝確認すると、なんとスープにカビが…!!
あまりのショックにネットを検索しまくったところ、どうやらウインナーを入れてしまったことが原因のようでした。
さらに、真冬と言っても暖房をつけていたため、就寝前の室内温度は20℃を超えていたということを考えていませんでした。
部屋の温度が10℃以下であれば、冬場は常温保存でも2~4日は持つと言われていますが、暖房を使うことを考え基本的には冷蔵保存を心がけた方がよさそう。
どうしても常温保存する場合には、3〜4時間毎にしっかり加熱するなどの対策が必要です。
日持ちの基本は冷蔵保存!鍋ごと保存がお手軽で簡単!
鍋ごと冷蔵庫に入れておくと、次に食べるときにそのまま温められるので楽ですし、毎回火を入れることで、殺菌効果も期待できます。
一般的な菌は、75℃以上、1分以上加熱すれば死滅するので、意識してしっかり火を通すようにしましょう。
また、取手が取れるタイプの鍋を使えば、冷蔵庫内収納でもスペースを取らないのでおすすめ。
保存は、雑菌が入らないよう蓋をしたままが基本ですが、冷蔵庫の高さ的に難しい場合は、鍋にラップをして保存してもOKです。
ただし、必ずしっかり冷ましてから冷蔵庫に入れるようにしてください。まだ熱がある状態で冷蔵庫に入れると、近くの食材はもちろん、冷蔵庫全体の温度が上昇しすべての食材に影響を与えてしまいます。
さらに、冷蔵庫内を元の温度に戻すために余計な電力を使ってしまいます。
鍋が冷えるのを待っている時間がないときには、氷水を入れたボールに鍋を浸して冷ますと時短になるので試してみてくださいね。
最初から作り置きを目的としている場合は、濃いめに作って最後に水で薄めつつ冷ます方法も有効です。
なお、具材による日持ち期間の違いについては、後半の章で詳しく解説しますね。
スープを1ヶ月以上日持ちさせるなら冷凍保存!小分け上手でまるでインスタント感覚
汁物を冷凍することに違和感を感じる方もいるかもしれませんが、一番使いやすく長持ちするのはやはり冷蔵保存です。
冒頭で話した甥っ子の場合のように、一人暮らしの方なら断然冷蔵がおすすめですね。
密閉できる容器などに1回分ずつ小分けて冷凍しておけば、毎回食べる分だけを温めればいいので簡単。
何種類かのスープを冷凍保存しておけば、その日の気分によって好きなスープを選ぶことができ、自炊でも苦になりません。
ポイントとして、スープは凍ると多少膨張するので、容器の8分目を上限として入れるようにしましょう。
また、塩分濃度が高いと長持ちするので、あらかじめ濃いめに作ったものを冷凍し、解凍後に好みの味に調整するのもおすすめです。
こんなときは要注意!賞味期限切れを表す3つのサイン
これまで紹介してきた日持ち期間はあくまで目安であり、絶対的なものではありません。期間内であっても、以下の3つのサインに注意して、判断するようにしましょう。
1.見た目
入れたはずのないものが浮いている、粘り気のある膜が生じているなどの異変。
灰汁のように見えても、よく見るとカビだったということもあるので注意。
2.におい
変わったにおいがする、とくに酸っぱいにおいは危険。果物が熟したような芳醇なにおいがする場合は、具材が腐りかけてているにおいであることがあるので注意。
3.風 味
平常とは異なる酸味感があるなど、通常とは違う味がする。臭くはないが、まったく風味を感じないという場合も劣化している恐れがあるので注意。
これらのサインが出ていたら、上記で紹介した保存期間内であっても要注意です。
つい常温で放置してしまったという場合は、少しの間だとしても必ず異変がないか確認するようにしましょう。
スープには野菜ばかりでなく少し肉類入ると味もボリュームもぐ~んとUPしますよね?そんなスープ類には欠かせない「肉類の日持ち」について詳しく紹介していますので是非、参考にして下さいね♪
スープによって日持ち期間は変わる!痛みやすいスープと保存時の注意点
じつはスープのなかにも、種類によって、痛みやすいもの、長持ちするものがあります。
さまざまな種類の保存期間や保存方法を調べてみましたので、紹介しますね。
①出 汁
冷蔵保存の場合の目安 | 1週間程度 |
冷凍保存の場合の目安 | 1ヶ月程度 |
【ポイント】
傷みやすいので、冷めたらすぐ冷蔵庫に入れるか冷凍保存するようにしましょう。出汁を小分けにして冷凍しておけば、毎回出汁をとる手間がはぶけてとても便利です。
②シチュー
冷蔵保存の場合の目安 | 2〜3日 |
冷凍保存の場合の目安 | 1ヶ月程度 |
【ポイント】
冷蔵保存の際は、1日ごとに火にかけるようにしてください。じゃがいもは冷凍すると中身がスカスカになってしまうので、あらかじめ取り除くか完全につぶしてからにしましょう。
どうしても入れたい場合は、じゃがいもだけ別に保存容器にラップを敷いてから入れると、洗うときも楽ちんですよ。
③カレー
冷蔵保存の場合の目安 | 2〜3日 |
冷凍保存の場合の目安 | 1ヶ月程度 |
【ポイント】
基本的にはシチューと変わりませんが、「カレーは2日目の方がおいしい」と思ってあえて常温保存しておく方が多いので注意が必要です。
カレーは、食中毒を起こすウェルシュ菌にとって居心地のよい場所。常温保存では爆発的に増加してしまうため、必ず冷やしてから冷蔵保存、冷凍保存しましょう。
④味噌汁
冷蔵保存の場合の目安 | 2〜3日 |
冷凍保存の場合の目安 | 2週間程度 |
【ポイント】
味噌汁は意外にも傷みやすいので常温保存は危険です。また、豆腐、こんにゃくは冷凍すると中身がスカスカになってしまうので、あらかじめ取り除きましょう。
冷凍しても、時間が経つと冷凍やけを起こしたり風味を損なってしまうので、早めに使い切りましょう。
味噌と粉末出汁と乾燥ワカメなどをラップに包んで丸めた味噌玉での冷凍保存もおすすめです。1回分ずつ冷凍保存ができで、お湯を注ぐだけでお味噌汁を作れちゃいます。
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⑤鍋の残り汁(キムチ鍋、寄せ鍋等)
冷蔵保存の場合の目安 | 2〜3日 |
冷凍保存の場合の目安 | 1ヶ月程度 |
【ポイント】
残った具材をざるなどで漉してから保存するようにしましょう。お出汁たっぷりの鍋の残り汁は、雑炊やリゾット、茶碗蒸しなどにも変身できるため、冷凍保存しておくと重宝するスープですよ。
鍋物をするときに冷凍してあった魚の切り身を使う方もいるのでは?そんな方にオススメする「魚の冷凍と上手な解凍方法」を詳しく紹介していますので是非、参考にして下さいね♪
手作りスープをより日持ちさせるコツを紹介!たった一手間で日持ちさせる!
少しでもよい状態で、スープを保存できるポイントをご紹介します。
- 冬場、どうしても常温保存しかできない場合は1日1回火を入れる(殺菌するには75℃以上で1分間以上の加熱が必要)。
- 冷凍保存する際は使い切りの保存袋にする。タッパーを使用する場合は煮沸消毒し清潔にする。こまめに新品のタッパーに買い替える。
- 肉類を使用するとは傷みやすくなるので、作り置きするなら野菜のみのスープにする。
- 味噌汁は日持ちしないが、味噌玉にすると1ヶ月程保存ができる。
- 調理した具材のみを冷凍し、ポタージュスープの素などを併用するとより長期間使える。
なるべく日持ちするようなポイントをまとめましたが、あくまでも目安として、食べる前に必ず自分の目と鼻と口で確認してくださいね。
まとめ
私のように、「自分でにおいを嗅いでも大丈夫なような、駄目なような…」と自信が持てないという方は、次の日にすべて食べきる場合は冷蔵保存、次の日にすべて食べきれない場合は冷凍保存と決めてしまうと安心です。
冷凍の際、保存バッグをなるべく平らにして空気を入れないようにするとさらに長持ちしますよ。
また、製氷皿に出汁スープを入れて冷凍し、できた出汁ブロックを保存バッグに入れて冷凍保存しておくと、具材ごと冷凍したものより長持ちし、朝の忙しいときでもささっと味噌汁やスープが作れておすすめです。
それでは最後に、今回の要点をまとめておきましょう!
- 常温保存は基本的に避ける
- 冬場のみ、どうしても常温保存する場合1日1回スープに火を入れる
- スープの種類によって保存可能期間は違う
- 冷蔵保存はしっかり冷まししてから
- 冷凍保存は保存容器に小分けにする
- 期間はあくまで目安! 必ず食べる前に見た目やにおいや味で確認する
スープだけでなく、カレーやシチューも「次の日のほうがおいしい」と思って何も気にせずに食べていましたが、どんな場合も常温保存は注意が必要だと知りました。
食材を無駄にせず、かつ安心でおいしくいただくために、適切な保存方法を守っていこうと思います。
もちろん甥っ子には、「今回は残念ながら廃棄して、次からは冷蔵か冷凍で保存するように」と伝えましたよ!
みなさんも、食中毒が心配な梅雨時や暑い夏がやってくる前に、余りがちなスープの保存状況を確認し直してみてくださいね。